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島 剛 彫刻展

2018年6月18日(月)-6月30日(土)

レセプション6月22日17:00

11:30-19:30(最終日-16:00)​

日曜休み

彫刻家 島剛氏は、細胞体や生命の発生をうかがわせる処女作≪Firework≫シリーズ(発表1987年)以来、内部空間を焼き拡げた木型をもとに「生命の表現」を塑像系(焼き物)の手法を用いて制作してきました。イメージの進化を求めて2003~04年に屋久島に滞在しますが、そこで得た新たなイメージの実現には長く苦労を重ねることになりました。

磁土を超高温で熔解し徐冷を経る方法によって、いよいよ2012年に無垢の塊作品の完成にたどり着きます。その≪0 point≫シリーズにおいて、彫刻に最も重要なファクターは「物質素材を深く感受する感覚に裏打ちされた重厚な内部圧力(生命力=変容する力)」いわゆる〈量〉であり、「造形に関わるあらゆる物質素材には潜伏する創造の力が存在する」と島氏は理解するようになりました。

 

その後、素材をガラスに置き換え、窯内で熔融する同種の制作スタイルで硬―軟―硬と往き来する軟らかな〈量〉に向かい続け、新たな地平に立ちました。島氏の廃棄ガラスを素材とした≪コア・サンフル≫ワークは、変容するガラスの物質素材としての潜在力を引き出した作品です。「彫刻とは内奥にある不可視なるデュナミス=卓越したものを引き出し、見えるように変容させる妙技である」と考える島氏にとって、このガラスとの出会いこそ創造歓喜の極まるところとなりました。

 

今展覧会では、大作を含めた新作を中心に発表いたします。皆様のお越しを心よりお待ちしております。

 

いりや画廊学芸員 園浦眞佐子

 

 

島 剛 略歴

1963年生まれ

1987年 東京藝術大学美術学部彫刻科卒業

1989年 東京藝術大学大学院美術研究科修了(‘90年博士課程中途退学)

1990年 第1回五島記念文化賞 美術新人賞

     ニューヨーク滞在(~’91まで)

1995年 東京藝術大学講師(~’96まで)

1996年 茨城大学講師/教育学部 (2000年助教授~2014年から教授、現在に至る)

2003年 内地研究員として鹿児島県屋久島にて研究活動(~’04)

展覧会

1987年 第18回現代日本美術展 いわき市立美術館賞

1989年 第19回現代日本美術展 大賞

1994年 島剛展―我は”泉”に立つ―(佐賀町エキジビット・スペース・江東区)

1995年 第2回朝来2001野外彫刻展in多々良木’95 大賞

1998年 第7回日本現代陶彫展’98 大賞

2002年 日本陶芸5人展(シャフォード文化会館・ベルギー・クノックヘイスト)

2003年 島剛展(村松画廊・銀座)

2006年 現代陶芸の粋―東日本の作家を中心に(茨城県陶芸美術館)

2008年 風と土の芸術祭(会津美里町)

2009年 世界陶磁ビエンナーレ(韓国・イチョン)

2013年 島剛の陶―生命と自然のあいだに―屋久島体験前と後(アカデミア・プラトニカ・那珂市)

2015年 6つの個展2015(茨城県近代美術館)

2016年 島剛彫刻展 CORE SAMPLE WORK 地中内視/向き合う視点(ギャラリー桜林・笠間市)

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