現代美術 絹谷幸太展
5月8日(月)〜5月27日(土)
11時30分〜19時30分[日曜休廊]
土曜・祝日:17時30分|最終日:16時
この作品を創らなければならない、と私の心を動かしたのは、隣国ロシアによるウクライナ軍事侵攻です。表側に穿たれた無数の四角い穴は、人類による爆撃(侵略行為の痕迹)を表しています。一方で裏側には、世界各地域の様々な岩石を嵌め込み、平和のハーモニーの形を模索し、礫岩を中央に配して共存共栄の提案を試みました。今、世界は混迷の時代に突入しています。世界のあらゆる領域が波乱に見舞われ、分断は深まっています。自己(自国)の欲求と利益だけを追求し続ける我々の未来には、禍と破滅が見えます。これまで、国費留学や「ブラジル日本移民百周年記念モニュメント」の仕事で十数回ブラジルに渡航する中で、地平線まで見渡せた大森林が赤い大地に変わっていた衝撃は、生涯忘れられません。465億光年とも云われる巨大な宇宙の広がりの中で、生命の誕生を許し、育み続けてくれたこの星で、食べ物を奪い合い、意見の相違で殺し合い、他の動植物をも絶滅へ追いやることは極めて悲しいことです。私は、制作を通して地球素材と真摯に向き合えた時、自然が微かに話しかけてくれたように感じ、それらにもっと触れたい・聴きたいと願うようになりました。自身を作り上げてきた地球との「無意識の交信」、それがアートの本質・原点もそこにあるのだと思います。世界を、日本を元気にする最高のコンテンツとして、そうしたアートの必要性を感じずにいられないこの頃です。
絹谷 幸太
絹谷 幸太 KOTA KINUTANI Ph.D.
1991年
- 彫刻家 柳原義達先生に出会い彫刻を志す
1996年
- 本大学芸術学部美術学科彫刻コース卒業、芸術学部長賞受賞
1998年
- 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了
- 公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修員1年派遣 研修地ドイツ
2002年
- 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程彫刻専攻修了(博美第102号H14.3.25)
- 東京藝術大学美術館作品買い上げ
- 公益財団法人野村財団 新人美術家顕彰制度 野村賞受賞
2003年
- 文化庁新進芸術家海外留学制度1年派遣 研修地ブラジル
2004年
- サンパウロ大学大学院(USP-ECA)post-doc修了
2005年
- 財団法人清春白樺美術館奨学生
<作品設置>
1995年
- モニュメント制作設置/岩手県
- JR東日本 上野駅「故郷の星」制作設置/東京都
1997年
- 江南町総合文化会館 モニュメント制作設置/埼玉県
2008年
- ブラジル日本移民百周年記念モニュメント制作設置/カルモ公園
2013年
- 東海学園高等学校モニュメント制作設置/愛知県
2012年
- ワタキュウーセイモア株式会社本社モニュメント制作設置/京都府
- 東京理科大学葛飾キャンパス モニュメント制作設置/東京都
2015年
- トヨタ鞍ヶ池記念館作品買い上げ/トヨタ自動車株式会社
2017年
- ベトナムAPEC記念公園モニュメント制作設置/ベトナム・ダナン市
2019年
- 新天皇陛下御即位記念モニュメント制作設置
- 学習院創立百周年記念会館/東京都
- 北野美術館 戸隠館モニュメント制作設置/長野県
- 真鶴町・石の彫刻祭招待/神奈川県
2021年
- 追手門学院大学校友会結成50周年記念モニュメント制作設置/大阪府
他 国内・海外美術館 民間企業 教育施設 官庁に於けるコレクション収蔵多数
<個展・グループ展>
国内展(美術館 百貨店 画廊 ホテル 官庁他)
海外展(ブラジル フランス トルコ 中国他)多数
<メディア等>
・NHK首都圏/「石の贈り物に託したメッセージ」(2007年8月28日、9月4日)
・NHK日曜喫茶室/「石が語る美の世界」2007年9月16日
・IBS茨城放送/「ブラジル日本移民百周年記念モニュメント制作中」(2007年10月20日)
・NHKラジオ深夜便/「~私のアート交遊録~」(2014年10月23日)
・NHK BSプレミアム&4K/「美の壺 File.542 心ふるわす巨石」(2021年6月25日)
・BSフジ/「八木亜希子のおしゃべりミュージアム」(2023年2月12日)
<その他>
日本美術家連盟会員/日本中国文化交流協会会員/特定非営利活動ふるさとテレビ特別顧問/追手門学院大学客員教授/東京工芸大学非常勤講師