佐久間 美智子展 Breathing Ⅴ
10月23日(月)〜11月4日(土)
11時30分〜19時30分[日曜休廊]
土曜・祝日:17時30分|最終日:16時
「大地は水を湛え、呼吸し、優しい気を放ちながら果てしなく続いていく。生きるもの全てがそのたおやかな気に包まれ呼応し安堵する。水の底に隠れるような沈潜の美と大地の持つ優しくも力強いエネルギーから生まれる気は、現代の社会に生きる人々を優しく包み込む。」
佐久間 美智子
「沈潜」には、水の底に沈み隠れる、または心を落ち着けて深く考えるという意味があります。それは己を十全に晒(さら)しながら自然と共存する姿であり、『沈潜の美』とは感性や経験を駆使することでしか吸収できない密かな美しさです。佐久間にとって、制作に入るということは呼吸と同様な時間を積み重ねるということであり、穏やかな呼吸の流れから湧き上がる情念や感動が、己の心に染み込む長年の「気」を空間に放出し、大地の優しくも力強いエネルギーから生まれる気と融合されることで作品に潜む『沈潜の美』は表現されると考えます。自然素材の多くは優しく頼りないものですが、様々な技法によって命を与えられることで、多彩な表現の可能性を秘めています。特に「織りとマクラメ」という、最も単縦な技法を完全に合体させることで、佐久間はファイバー本来の「優しさ」に加え「力強さ」と「エネルギー」を表現する、長年佐久間が取り組んでいる壮大な作品シリーズ「Breathing Ⅴ」が画廊空間を包み込みます。
いりや画廊 学芸員 園浦眞佐子
佐久間 美智子 Michiko Sakuma
[個展]
1986年
-「大地への回帰」(ギャラリー射手座・京都)
1988年
-「大地への回帰Ⅱ」(村松画廊・東京/ギャラリー射手座・京都)
1990年
-「Breathing」(村松画廊)
-「Breathing-s」(ギャラリー無有・京都/千疋屋ギャラリー・東京)
1992年
-「Breathing-Ⅱ」(ART BOX・横浜)
1995年
-「SUBLIMATION-Ⅰ」(ART BOX・横浜)
1996年
-「SUBLIMATION-Ⅱ」(千疋屋ギャラリー・東京)
1998年
-「ファイバーアート・未知の記憶」(昭和女子大学光葉博物館・東京)
2000年
-「GERMINATION-I」(千疋屋ギャラリー・東京)
2016年
-「天・空・地」(佐久間美智子退任展/明星大学展示室・東京)
2018年
-「Breathing-Ⅲ」(いりや画廊・東京)
2021年
-「Breathing-Ⅳ」(いりや画廊・東京)
[パブリックコレクション]
京都国立近代美術館/ウッヂ中央染織博物館/群馬県立近代美術館/世田谷区立美術館/
Arte &Arte(イタリア・コモ市)/中国雲南省文化美術館